骨折リエゾンチームのご紹介(FLS:Fracture Liaison Service)
当院では、「骨折リエゾンチーム(FLS)」を設置し、脆弱性骨折の治療と同時に、将来の骨折を防ぐ取り組みを多職種で行っています。
脆弱性骨折は、骨量の減少等によって骨の強度が低下し発生する骨折です。生活の質低下や寝たきりのリスクを高める重大な健康課題となっています。特に「大腿骨近位部骨折(太ももの付け根の骨折)」は、再発率も高く、早期からの対策が重要となります。
骨折リエゾンチームの目的
- 骨折をきっかけに二次性骨折(また別の骨折を起こすこと)を防ぐための仕組みです。
主な活動内容
- 骨粗鬆症の評価と治療の開始
- 生活・栄養・運動の支援
- 退院後のフォローアップ
チームメンバーと役割
- 整形外科医
- 骨折の治療と再発予防を中心に、骨折の診断・治療を行います。
- 看護師
- 患者様の入院から退院までの生活援助および服薬管理を行います。
- 管理栄養士
- 骨の健康に必要な栄養評価と食事面での支援を行います。
- 理学療法士・作業療法士
- 日常動作のリハビリ訓練を行い、再転倒予防をサポートします。
- 薬剤師
- 服薬指導や薬の副作用チェックなどを行います。
患者様・ご家族様へのお願い
再骨折を防ぎ、これからの生活を安心して過ごしていただくためご協力をお願いいたします。
- 骨粗鬆症の検査と治療へのご協力をお願いいたします。
- 栄養と運動で骨を守りましょう。
- 退院後も通院・フォローを継続していきましょう。
- ご不安・お困りのことはいつでもお声がけください。
栄養サポートチームのご紹介(NST:Nutrition Support Team)
当院では、患者様の栄養状態を適切に管理し、治療効果を最大限に高めるために栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)を設置しています。
栄養状態の悪化は、治療の遅れや合併症のリスクを高める要因となります。NSTは多職種が連携し、患者様一人ひとりに適した栄養管理を行い、早期回復とQOL(生活の質)の向上を目指します。
NSTの目的
- 栄養状態の適正な評価と管理
- 低栄養予防および改善による治療促進
- 経腸栄養・静脈栄養の適正使用と管理
- 合併症予防と治療効果の向上
- 退院後の継続的な栄養管理支援
主な活動内容
- 入院患者様の栄養スクリーニングとリスク評価
- 多職種による回診、栄養・食事内容の提案
- 栄養管理計画の立案・実施・評価
- 院内スタッフへの教育・研修
チームメンバーと役割
- 医師
- 患者様の病態に応じた栄養療法・栄養管理の方法を提案します。
- 看護師
- 栄養状態のアセスメント、経管栄養の管理、血液データや体重などの情報をチームに共有することで、栄養管理の総合的な評価につなげます。
- 管理栄養士
- 必要栄養量の提示、食事や経腸栄養内容の提案を行います。
- 薬剤師
- 静脈栄養(TPN)の調整、薬剤との相互作用を評価します。
- 言語聴覚士
- 嚥下機能評価を通じて、安全な食事摂取を支援します。
患者様・ご家族様へのお願い
栄養状態は、治療の回復に大きく影響します。
食欲が低下している、食事がうまく摂れない、体重が急に減ったなどの症状がある場合は早めにご相談ください。
NSTは、患者様が適切な栄養を摂取できるようサポートいたします。
抗菌薬適正使用支援チーム(AST:Antimicrobial Stewardship Team)
抗菌薬適正使用支援(Antimicrobial Stewardship:AS)は、薬剤耐性菌の出現と拡散を抑制し、感染症治療の効果を最大化することを目的とした取り組みです。その中心となるのが、ASTです。
ASTの目的
- ・耐性菌の発生抑制と蔓延防止
- 不適切な抗菌薬の使用が耐性菌の出現・拡散を招くため、その使用を適切に管理し、耐性菌の増加を抑える。
- ・感染症治療効果の向上
- 患者様個々の感染症に対して最適な抗菌薬を選択し、適切な用量、投与期間で治療することで、治療効果を高め、予後を改善する。
- ・抗菌薬による有害事象の低減
- 不必要な抗菌薬の使用や長期投与による副作用を減らす。
- ・医療費の適正化
- 抗菌薬の不適切な使用による医療費の増加を抑制する。
主な活動内容
ASTの活動内容は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
- ・特定の抗菌薬使用患者様への介入・支援(週1回の回診)
- 週に1回回診を行い、広域抗菌薬(カルバペネム系や静注用のキノロン系)や抗MRSA薬など、特定の抗菌薬を使用している患者様について、その選択が適切であるか、用量や投与期間が適切かなどを確認し、主治医にフィードバックを行っております。
- ・血液培養陽性患者や薬剤耐性菌が検出された患者様のモニタリングと治療支援
- 毎日、細菌培養の結果をチェックし、積極的に介入しております。特に黄色ブドウ球菌菌血症の場合は、バンドルを遵守するよう取り組んでおります。
- ・抗菌薬適正使用マニュアルの作成・改訂
- 院内での感染症治療の標準化と適正化のため、抗菌薬の使用指針やマニュアルを作成し、定期的に見直しております。
- ・アンチバイオグラムの作成・活用
- 院内で分離された菌の薬剤感受性率をまとめたアンチバイオグラムを作成しております。
- ・抗菌薬使用状況のモニタリングと評価
- 院内での抗菌薬使用量や種類を定期的に調査・評価し、適正使用の状況を把握します。
- ・微生物検査・臨床検査の適正化支援
- 適切な検体採取や検査実施の促進、検査結果の解釈支援などを行います。
- ・採用抗菌薬の見直し
- 院内で採用する抗菌薬の種類や用量について定期的に見直し、必要性の低い抗菌薬の採用中止などを提案します。
- ・教育・啓発活動
- 院内職員への抗菌薬適正使用に関する研修会や勉強会の開催、AST通信の発行などを行います。
これらの活動を通じて、ASTは病院全体での抗菌薬の適正使用を推進し、患者様の安全と医療の質の向上に貢献しています。
チームメンバーと役割
ASTは、多職種連携を基本としたチームで構成されます。一般的なメンバーは以下の通り です。
- 医師
- 感染症診療の経験豊富な医師が参画しております。当院では内科部長が担っております。
- 薬剤師
- 抗菌化学療法認定薬剤師や感染制御認定薬剤師など、抗菌薬に関する専門知識を持つ薬剤師が不可欠です。薬剤の選択、用量、相互作用、副作用に関する情報提供や管理を行います。当院では、2名の薬剤師が担っております。
- 臨床検査技師
- 細菌検査の専門家として、原因菌の同定や薬剤感受性試験の結果を適切に解釈し、情報を提供します。当院では、1名の臨床検査技師が担っております。
- 看護師
- 感染管理認定看護師など、感染対策や患者様の観察に携わる看護師が参加し、現場からの情報提供や患者様へ指導を行います。当院では、感染管理者でもある1名の看護師が担っております。
身体拘束最小化チームのご紹介
当院では、すべての患者様の尊厳と安全を守るため、身体拘束の最小化に取り組んでいます。身体拘束は、転倒や治療中断のリスクがある場合にやむを得ず使用されることもありますが、患者様に大きな精神的・身体的負担を与える可能性があります。
「できる限り身体拘束を行わないケア」を実現するため、多職種で構成された身体拘束最小化チームが中心となり、予防と代替手段の検討、環境整備に取り組んでいます。
身体拘束最小化チームの目的
- 患者様の尊厳と人権の尊重
- 身体拘束の必要性を減らす安全な環境づくり
- 転倒や治療中断リスクへの適切な予防策の実施
- 身体拘束実施時の迅速な解除と振り返り
- 職員への教育と啓発活動の推進
主な活動内容
- 身体拘束回避策の検討と実施
- 身体拘束カンファレンスの開催
- 拘束実施時の適正な記録・振り返りと改善策提案
- 職員への身体拘束最小化に関する研修
- 環境整備(離床センサーや安全マット導入等)の推進
- 各病棟のラウンド
チームメンバーと役割
- 医師
- 身体拘束の必要性や適否を判断し、代替手段や治療方針の調整を行います。
- 看護師(身体拘束最小化担当者)
- リスクアセスメントを行い、拘束回避のためのケアプランを立案・実施します。
- 理学療法士・作業療法士
- リハビリや体位調整を通じて、自立支援や転倒リスクの軽減を図ります。
- 薬剤師
- せん妄や不穏の原因となる薬剤の確認や調整を行います。
患者様・ご家族様へのお願い
身体拘束は、患者様の安全確保を目的にやむを得ず行う場合がありますが、当院では最小限にとどめ、できる限り早期解除を目指しています。
- せん妄や不穏を防ぐための環境調整にご協力ください。
- 転倒予防のため、歩行や動作に不安がある際は職員にお声がけください。
- 身体拘束についてご不明な点やご心配がある場合は、遠慮なくご相談ください。
患者様が尊厳を保ちながら安心して療養生活を送れるよう、身体拘束最小化チームが全力で支援します。
摂食嚥下チームのご紹介
当院では、誤嚥性肺炎の予防や安全安心な食事提供を目的として、摂食嚥下チームが発足しました。チームの多職種が連携して患者様の食事の様子や食事環境などを確認し、一人一人の状態に合わせた支援を行っています。
摂食嚥下チームの目的
- 安全な食事方法の確立と支援
- 食事の内容や食べやすさのチェック
- 誤嚥性肺炎や窒息事故の予防
- 摂食嚥下障害の早期発見と評価
主な活動内容
- 摂食嚥下ラウンド(ミールラウンド、隔週)の実施
- スタッフへの各種研修実施
- 食事に関する啓蒙活動
チームメンバーと役割
- 医師
- ラウンドや委員会を通じ、全体の方針を取りまとめます。
- 看護師・介護士
- ミールラウンドや日常のケアを通じて、食事場面の観察やポジショニングの工夫、安全な食事介助の実践を行います。また患者様の日々の様子など情報提供を行います。
- 管理栄養士
- 嚥下評価やミールラウンドに基づき、個々の能力に合わせた食事形態(キザミ食やペースト食など)の提案や栄養管理を行います。
- 薬剤師
- 状態に合わせた薬剤の提供、服用しやすい剤形の提案などを行います。
- 言語聴覚士
- 嚥下評価を行い、嚥下機能にあった食事形態や姿勢の調整、嚥下訓練などを行います。
- 理学療法士・作業療法士
- 安全に食事ができる姿勢や食事動作の指導、食べやすい食器のアドバイス、機能訓練を行います。
患者様・ご家族様へのお願い
食事・栄養は患者様の安全な入院生活、十分な治療効果を得る上で非常に大事なものとなります。何かお気づきの点がございましたら、遠慮なく当院スタッフにお声掛け下さい。
糖尿病ケアチームのご紹介
当院では主に、手術を受ける患者様が安心して治療を継続し、退院後もより良い生活を送ることができるよう、各専門職が連携した「糖尿病ケアチーム」がサポートしています。
糖尿病は、適切な治療と生活習慣により合併症の予防が可能となります。
当院の糖尿病チームでは、患者様一人ひとりのライフスタイルや病状に合わせた支援を行い、合併症予防や自己管理の向上を目指します。
糖尿病チームの目的
- 血糖コントロール、HbA1cの最適化
- 糖尿病合併症の予防と早期発見
- 食事・運動・服薬の自己管理支援
- 患者様のQOL向上と再入院予防
- 周術期における健康な人と変わらない期間での退院や社会復帰のサポート
主な活動内容
- 糖尿病カンファレンスの定期開催
- 血糖コントロール評価と治療方針の共有
- 食事療法・運動療法・薬物療法の支援
- フットケアによる神経症のチェック、足病変の確認
- 継続治療のための退院支援や地域連携
チームメンバーと役割
- 医師(糖尿病専門医)
- 診断・治療方針の策定、薬物療法の調整、合併症の評価を行います。
- 看護師
- フットケアチームによる神経症チェック、生活習慣改善のサポートを行います。
血糖自己測定やインスリン自己注射の指導、サポートを行います。 - 管理栄養士(糖尿病療養指導士等)
- 患者様の生活状況に合わせた食事療法の提案や栄養指導を行います。
- 薬剤師(糖尿病療養指導士等)
- 糖尿病治療薬の適正使用支援、副作用や服薬アドヒアランスの確認、PBPM(医師に承認を受けたプロトコル)による検査支援を行います。
- 理学療法士
- 運動療法の指導や病状に合わせたリハビリプログラムの作成を行います。
- 臨床検査技師
- 眼底検査やHbA1cなどの検査データを迅速に提供し、治療の評価をサポートします。
患者様・ご家族様へのお願い
糖尿病は、日々の生活習慣が治療の大きな柱となる疾患です。
「食事」「運動」「薬」「生活自己管理」を無理なく継続していくことが、合併症予防と健康維持につながります。
当院の糖尿病ケアチームが、患者様の生活に寄り添いながら、安心して治療を続けられるようサポートしてまいります。
ご不安やご不明点がありましたら、お気軽にスタッフまでご相談ください。
排尿ケアチームのご紹介
当院では、治療等のために留置した尿道カテーテル抜去後に尿閉・失禁・頻尿・残尿過多の患者様を対象に多職種による「排尿ケアチーム」が、包括的排尿ケアを提供しています。病棟や外来の看護師とも連携しながら下部尿路機能を評価し、患者様のQOL(生活の質)向上を目指した支援を行っています。
排尿ケアチームの目的
- 尿道カテーテルの適正管理
- 下部尿路機能の改善
- 排尿ケアの質向上と標準化
- 患者様のQOL向上
主な活動内容
- 排尿ケアカンファレンスの開催(毎週金曜日)
- 下部尿路機能の評価、異常の早期発見
- 退院後の生活を見据えた支援計画の策定
- 尿道カテーテル留置で退院となった患者様へ、外来での抜去に向けた継続介入
チームメンバーと役割
- 医師
- 排尿機能の評価、診断および治療方針の決定を行います。必要に応じて薬物療法や検査を行います。
- 看護師(病棟・外来)
- 尿量測定・残尿測定・排尿日誌や全身状態をアセスメントしケア計画を立案、患者様に応じたケアを行います。退院後も支援が必要な患者様は外来へ引き継ぎ、継続的に支援します。
- 理学療法士
- 骨盤底筋トレーニングや動作訓練など、機能的リハビリテーションを通じて排尿動作の改善を支援します。
患者様・ご家族様へのお願い
排尿に関する問題は、QOL(生活の質)に大きく影響します。恥ずかしさから相談しにくいこともあるかもしれませんが、放置することで感染症や皮膚トラブル、生活機能の低下を招くこともあります。当院の排尿ケアチームが患者様一人ひとりに寄り添い、より良い療養生活が送れるよう支援いたします。
褥瘡対策チームのご紹介
当院では、患者様が安心して療養生活を送れるよう、褥瘡の予防と早期治療に取り組む「褥瘡(じょくそう)対策チーム」を設置しています。褥瘡とは、いわゆる「床ずれ」のことで、長時間同じ姿勢でいることにより皮膚や組織が損傷し、感染症や生活機能低下の原因となることがあります。当院の褥瘡対策チームは、多職種で連携し、患者様一人ひとりの状態に合わせた個別のケアを行い、褥瘡ゼロを目指して活動しています。
褥瘡対策チームの目的
- 褥瘡の予防と早期発見・早期対応
- 患者様のQOL(生活の質)向上
- 適切な体位変換やポジショニングの実施
- 栄養状態の改善と全身管理の強化
- 院内全体への褥瘡対策の教育と啓発
主な活動内容
- 入院時の褥瘡リスク評価と定期的なモニタリング
- 多職種による定期的な褥瘡回診の開催
- ポジショニングラウンドによる予防と改善に向けた取り組み
- 褥瘡症例検討および研修の実施
- 職員向け褥瘡予防研修の実施
- 退院・在宅支援への連携
チームメンバーと役割
- 医師
- 褥瘡の評価、治療方針の決定、必要に応じて外科的処置を行います。
- 看護師(特定行為研修修了看護師を含む)
- 褥瘡リスクのアセスメント、予防的ケアの実施。褥瘡の早期発見と処置の実施、マットレスの適正チェックやドレッシング剤の選択などを担当します。
- 管理栄養士
- 栄養評価の実施を行い個別の栄養プランを作成し、栄養補助食品の選定や提案等を行います
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
- 適切な体位の指導と調整を通じ、褥瘡予防を行い患者様が無理なく安全に体を動かせるよう支援します。
- 薬剤師
- 全身状態や他の薬とのバランスを考慮し、適切な薬剤の選択および薬物治療の評価と管理を行います。
患者様・ご家族様へのお願い
より安全で快適な療養生活のため、患者様・ご家族様にもご協力をお願いいたします。
- 定期的な体位変換へのご協力をお願いいたします。
- 食事・栄養をしっかりとりましょう。
- 皮膚の変化や痛み等があればお知らせください。
患者様が安心して療養できるよう、スタッフ一同サポートいたします。ご不安なことがありましたら、いつでもお声かけください。
感染対策チームのご紹介(ICT:Infection Control Team)
感染対策チームの目的
患者様、ご家族様、地域の方々に安全で安心な医療を提供するために組織横断的なチーム体制で、科学的根拠に基づいた感染管理を実践し、院内感染防止対策の強化を目的としています。
主な活動内容
- 定期的な院内感染対策ラウンドの実施と評価
- 感染対策マニュアルの整備と更新
- 感染症発生状況のサーベイランスとフィードバック
- 職員への感染対策研修の企画と実施
- 抗菌薬適正使用支援チーム(AST)との連携など
チームメンバー
医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士
*それぞれの職種において、所定の研修を終えています。
患者様・ご家族様へのお願い
- 来院時・院内在籍時のマスク着用および咳エチケットの遵守
- 手指衛生(アルコール手指消毒等)の実施
- 発熱・咳・咽頭痛・下痢などの症状がある場合の事前申告
- 面会制限へのご理解とご協力
院内感染防止の取り組みを継続してまいります。ご協力をお願いいたします。
特定看護師の役割について
当院では、高度な専門知識と技術を持つ特定看護師が、医師の指示のもとで一定の診療補助業務を行い、患者様の安全で質の高い医療提供を支援しています。
特定看護師は、医療現場で迅速かつ適切な対応を行い、治療の継続性を確保する重要な役割を担っています。
特定看護師が実施する主な医療行為
- ・中心静脈カテーテル抜去
- 不要となったカテーテルを安全に抜去します。
- ・胃瘻カテーテル交換
- 胃瘻を利用する患者様のカテーテルを安全に交換し、栄養管理の継続を支援します。
- ・膀胱瘻カテーテル交換
- 膀胱瘻カテーテルの適切な交換を行い、感染予防や排尿管理をサポートします。
- ・血流の内壊死組織の除去
- 循環不全などで生じた壊死組織を除去し、感染予防と創傷治癒を促進します。
- ・陰圧閉鎖療法(NPWT)
- 創傷部位に陰圧をかけることで、治癒を促進し、感染リスクを軽減します。
- ・気管カニューレ交換
- 気管切開された患者様のカニューレを交換し、気道の確保と呼吸管理を行います。
- ・直接動脈穿刺法による採血
- 動脈血ガス分析などの検査のため、直接動脈から採血を行います。
- ・橈骨動脈ラインの確保
- 動脈ラインを確保し、血圧の持続測定や採血を可能にします。
特定看護師の役割と意義
特定看護師は、迅速な処置を行うことで、患者様の安全性を向上させるとともに、医師との協働を強化し、医療の質を向上させる重要な役割を担っています。
当院では、特定看護師による高度な医療支援を通じて、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えてまいります。
また、当院では「包括的同意」をお願いしています。
ご不明な点がありましたら、お気軽に医療スタッフまでお問い合わせください。
医療安全管理体制のご案内
医療安全管理の目的
当院では、「すべての患者様に安全で質の高い医療を提供すること」を基本理念としています。医療のあらゆる場面で、小さな気づきを大切にしながら、安心して医療を受けていただけるような体制を整えています。医療安全は、職員一人ひとりの意識と行動に支えられるものであり、チーム医療の基盤そのものです。患者様やご家族様にとって安心できる医療環境を守るため、全職員が協力して取り組んでいます。
医療安全管理体制
医療安全管理室
医療安全管理室は、病院全体の安全を支える実務部門です。各部署と連携しながら、日々の安全活動を推進しています。
- 医療安全管理者(専従):医療安全活動の調整・総括を担います。
- 医師(医療安全担当):診療の視点からリスク分析や対策立案に参画します。
- 医薬品安全管理者(薬剤師):薬剤の適正使用や誤投与防止に取り組みます。
- 医療機器安全管理者(診療放射線技師):医療機器の点検・保守・使用方法の教育などを担当します。
- 看護師:看護部門における教育・支援を行い、現場の安全向上に貢献します。
- 事務部門:患者様対応の安全確保や初動対応支援などを通じて、医療安全に貢献します。
医療安全対策委員会
当院では、院長の指導のもと「医療安全対策委員会」を設置し、院内全体の医療安全活動を総括しています。この委員会では、各部門の代表者が参加する多職種チームで構成されており、院内の医療事故やインシデントの分析、再発防止策の検討、マニュアルの整備、安全文化の推進方針などについて、多職種で協議・決定しています。
医療安全実践者部会
「医療安全実践者部会」は、各部署から選出されたリンクスタッフで構成されており、現場での安全活動の中心的な役割を担っています。日々の「ヒヤリ」「ハッと」した体験や課題を共有し、現場から再発防止策を提案・実行する仕組みを支えています。部署の垣根を超えて協力し、安全文化の浸透を図ります。
主な活動内容
- 医療安全マニュアルの作成と見直し
- 医療事故・インシデントの集計と再発防止策の検討
- 職員向けの医療安全研修・部門別教育の実施
- 医療機器や薬品の安全な取り扱いの点検・啓発
- 医療安全ラウンド(現場巡視)の実施
- 医療安全ニュースやポスターによる啓発活動
- 医療安全実践者部会による改善提案と展開
- 医療安全対策委員会による全体総括と方針決定
- 外部機関への報告・対応
「医療安全」は一部の職員だけが取り組むものではありません。すべての職員、そして患者様・ご家族様とともに築いていくものです。当院では、これからも「気づき」「共有」「改善」を大切にしながら、誰もが安心して医療が受けられる環境作りを続けてまいります。

