臨床研究とは
臨床研究とは人(血液などの試料・情報を含む)を対象として、病気の成因や病態の理解、また病気の予防方法や診断・治療方法の改善や有効性を検証し、国民の健康保持増進または患者さんの病気からの回復、生活の質の向上に資する知識を得ることを目的として実施される研究のことです。このためには患者さんのご理解・ご協力が必須の条件となります。
当院で行う全ての臨床研究は、世界医師会が定めた「ヘルシンキ宣言」や厚生労働省・文部科学省が定めた「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」等を遵守しており、当院の「倫理・臨床研究審査委員会」でそれぞれの臨床研究について厳密な審査を行い、その実施承認が得られた研究のみが行われます。 従って製薬会社や医療機器メーカーが国の承認を得るために、新薬や新しい医療機器を一般診療で使用できるように客観的なデータを集めることを目的として行う「治験」とは異なります。
インフォームド・コンセント(説明と同意)とは
臨床研究を実施する場合は患者さんのインフォームド・コンセントの取得が必要です。インフォームド・コンセントとは対象者(患者さん)に対して、臨床研究の目的、方法、対象者の負担、予測される結果(利益及びリスクを含む)について十分な説明を行い、それらを理解した上で自由意志に基づいて臨床研究に参加していただくことへの同意のことです。
このインフォームド・コンセントの取得の方法には文書による取得方法とオプトアウト(情報公開と拒否機会)による方法があります。前者の方法は患者さんやそのご家族に臨床研究の内容を直接ご説明してご理解を頂き、その上で文書による同意をいただく方法です。後者の方法は臨床研究に関する情報をホームページ等で公開することで直接患者さんやそのご家族の同意をいただく手続きを行わない方法です。オプトアウトの場合は患者さんにその臨床研究への参加を拒否する機会が与えられています。申し出ていただければ、その手続きを行います。